とびだすえほんミラーマン、快傑ライオン丸図鑑他出張買取(愛西市)

2025年6月16日

◆買取品情報

ジャンル アニメ・特撮
アイテム名 万創とびだす絵本「ミラーマン」
黒崎出版「快傑ライオン丸図鑑」他
買取方法 出張買取
エリア 愛知県愛西市

◆買取詳細

2025年6月16日(月)
先日は愛知県愛西市にて実家の片付けを行ってみえるお客様からご依頼頂きました。
この中から選び出させて頂いたのは、お客様が幼少期から青年期にかけてお読みになられていたTV番組の図鑑、絵本~コミック、漫画雑誌等です
レトロ河島店主とお客様はほぼ同年代で、お聞きしたところ、やはり小学校高学年~高校生の時期に漫画、TVをご覧になられているとご両親から小言を言われるようになったそうです。
世代毎に価値観が異なり、わたしども(現在30代~60代)にとっては価値がある昭和のアイドル、TVヒーロー、漫画は両親の世代80代の方々から見るとゴミに見られがちです。
幸いにも押し入れ、物置の奥にしまい込まれておられたおかげで見つかる事無く、ご両親に捨てられずに無事に残っていたそうです。
現在の流通価格を調べながら査定したおかげで、お客様にはまとまった買取金額をご提示する事が出来ました。
それでは、この度お売り頂いた品を紹介してまいります。

 

まずは万創(ばんそう)のとびだすえほん「ミラーマン」です。
万創はフジテレビの子会社で、倒産時に、これらの飛び出す絵本を含め、関連商品が大量に日本全国の古書店に出回りましたので、店主が就業していた頃(1980年代前半から)にも、なかなか売れずに苦戦したものです。
こちらを記すにあたり、万創のWikipediaに目を通したところ、放送局の出版事業を禁止するという当時の法律に抵触した為、創設された企業との事でした。
実際にはフジテレビ時代にとびだすえほんの下請け制作を請け負っていた小出信宏社の子会社として1970年に設立された会社なので、フジテレビの子会社というのは店主の思い違いです。
1973年(昭和48年)6月19日に総額28億円の負債を抱えて倒産。
店主が古書店で働き始めた時期、1983年(昭和58年)時点で、どちらの古書店でも新品同様の状態で、よく見かけたものです。
令和の現在は海外需要もあり、国外に少しづつ流出していったのでしょう、いつのまにか引手あまたの商材に変貌しました。


函はございませんが、実際に昭和47年当時にお買い上げになられてお読みになられていた事を加味しますと、なかなか良い状態です。
(写真にございますように本を開くとこのように立体物に変貌しますので、お読みになられる対象年齢が低い事もあって、こちらがちぎれて無くなる事も多々ございます)

 

黒崎出版「快傑ライオン丸図鑑」(昭和47年)です。
こちらの黒崎出版は秋田書店の子会社と昔に教えられましたが、同時期に親会社と同様の書籍を出版している印象です。
秋田書店では写真で見る世界シリーズで「怪獣ウルトラ図鑑」大伴昌司等を刊行、いったいどのような事情があったのでしょうか。

興味を持ちWikipediaで閲覧したところ、黒崎出版を創立した秋田君夫は秋田書店の創立者、秋田貞夫の親族で、貞夫の呼びかけにより秋田書店に入社。
怪獣図鑑のベストセラーにより独立し、黒崎出版を興したとあります。
秋田書店サンデーコミックスの企画から装丁も行っていたそうなので、黒崎出版のベストコミック「ハイエナ野郎」さいとうたかを等がサンデーコミックスと酷似しているのもうなずけます。
就業していた主人から秋田書店の子会社と聞き及んでおりましたが、実際にはこのような事だったようです。
秋田書店が冒険王、黒崎出版がライバル誌にあたるテレビランドを1973年(昭和48年)に創刊していますので、子会社でそのような事があるのかなと不思議に思っていました。
今はインターネットの普及で、あやまった情報、個人の思い込みも正されますので本当に便利な時代になったものです。

 

東映の企画で持ち込まれ創刊したテレビランドは黒崎出版の経営不振により徳間書店に売却され、社長の秋田君夫は秋田書店に復帰されたそうです。

 

閑話休題。

こちらの快傑ライオン丸図鑑は上製本で、糸かがり綴じ(糸を使って本を綴じる上製本の綴じ方法です)が使用されています。
接着剤で綴じている児童向けの本は割れてしまい、ページ外れ等がおきて、なかなか現本が残っておりませんが、こちらの糸かがり綴じの本は、しっかり本を開くことが出来ますし、ページ外れの難は起こりづらいのですが、それでもしっかり読み込まれているうちにページが外れてしまったようです。
写真では函が付属されていない事のみが難点に見えますが、ページ外れは致命的ですので、買取金額はどうしてもマイナスとなります。

 

ですが、昭和20年代の漫画雑誌をいろどった、うしおそうじが興した制作会社ピープロ(1960年(昭和35年)設立)の特撮作品は評価が高く、状態に難があっても需要がございます。

 

 

 

今回は愛知県愛西市のお客様の昭和40年代後半の刊行物を紹介致しました。
引き続きお売り頂いたお品を紹介してまいりますので宜しくお願い申し上げます。

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