フランス書院文庫等、官能小説買取お任せ下さい
2025年7月7日
2025年7月8日(火)
先日は名古屋市千種区にお住いのお客様からご依頼頂きました。
近々お引越しを予定されてみえるそうで、新居に持ち込まない書籍の買取をお願いされた次第です。
玄関先から廊下、そして一部屋にまとめて置かれてあるダンボール箱は数十箱積み重ねられていました。
この中から、順に拝見していったところ、古本でも需要がある、フランス書院文庫(官能小説)のみが入っているダンボール箱もございました。
フランス書院は現在官能小説をメインに出版する会社で、詳しい方は文庫の背表紙の番号で概ねの発行年代がわかるほどです。
1985年4月からの発刊(奥付は1985年5月)で、背表紙番号の白色は同社が1970年代に刊行していた海外ポルノ小説もラインナップに加わっていました。(近年は4000番台を使用)
翻訳者としてその名を連ねたいお二人がいらっしゃいます。
ひとりは、中田耕治氏。
そしてもうひとりは、「名和立行」名義も含め、松田優作主演のドラマ『探偵物語』で原案を手がけたことでも知られる小鷹信光氏です。
お二人は、海外ハードボイルド作品を日本に広く紹介し、その魅力を国内に浸透させることに大きく貢献されました。
官能小説の大家としては、こちらの三名でしょう。
蘭光生、千草忠夫、団鬼六です。
蘭光生
蘭光生(らんこうせい)はジャンルによって使い分けたペンネームの一つで、店主は「乱交せい」から筆名を採ったものだと思っていたところwikipediaで間違いだと知りました。
探偵作家の蘭郁二郎の愛読者だったことと光を入れると成功するとの託宣を受けてペンネームにされたそうです。
様々な筆名があり、式貴士(SF小説の際の筆名)、間羊太郎(ジャガーバックス等の児童図鑑の際の筆名)は存じ上げていたのですが、占星術師としても活躍をされて、その際に使用していた小早川博の名義は知りませんでした。
1991年(平成3年)に58歳の若さでお亡くなりになられるまで、三崎書房、二見書房、ミリオン出版を経て、フランス書院文庫では20作品以上を発表されています。
千草忠夫
千草忠夫(ちぐさただお)
SMファン等、氏の作品は数多くのSM雑誌に掲載されていた印象ですが、wikipediaで確認したところ、まさにそのとおりでした。
驚かされたのが石川県金沢市在住で執筆活動をされて、女子高の教師が本業だったという事です。
1995年(平成7年)、64歳でお亡くなりになられました。
男性の平均寿命81歳(健康寿命73歳)から考えますと、まだまだお若く、残念でなりません。
教員をされていたというご縁もあるのかわかりませんが、千草忠夫は団鬼六の「花と蛇」のファンで神奈川県三浦市三崎町まで訪問されたこともあるそうです。
創作活動は35年に渡り、同一タイトルを含みながらではありますが250冊との事。
その他にも短編、中編で書籍化されてない作品も数多くあるそうですので、個人全集が刊行され全てを網羅された暁には300冊を超えるのではないでしょうか?
団鬼六
団鬼六(だんおにろく)
官能小説の第一人者で名高い団鬼六は「花と蛇」の一大ヒットで成し遂げられたといっても過言ではないでしょう。
掲載誌のSM雑誌「奇譚クラブ」は1947年(昭和22年)に創刊。
創刊時の氏は関西学院高等部(現在の高校)に籍を置き勉学に勤しんでいた頃でしたが、幼少期から自身の性癖に悩まされていたものの、書店で奇譚クラブを見て、同好の士がいる事と、さらにそれ以上の表現に大変なショックを受けられて、以後夢中で愛読されたそうです。
関西学院法学部卒業後は、小豆相場で失敗し多額の借金を抱え、ジャズシンガーの妹、三代子を頼って上京。
1956年(昭和31年)に黒岩松次郎名義でオール読物で佳作入選、奇譚クラブの懸賞小説(花巻京太郎名義)で1位を経て、自身の先物取引等の経験を元に記した「大穴」を1958年、五月書房で刊行(黒岩松次郎名義)。
こちらの作品は1960年(昭和35年)に松竹で映画化されました。
同年に映画原作料を元手に東京都港区新橋の国際マーケット街で、バーの経営者となりますが、店は赤字の上、相場に再び手を出してしまい、借金を重ねた末にバーを手放します。
バーの前経営者の妹が英語教師で、彼女の紹介で1962年(昭和37年)に神奈川県三浦市三崎の中学校で英語教員になります。
(翌年に紹介者の女性英語教師と最初の結婚を致します)
1961年頃から奇譚クラブで変名を用いて投稿しており、花巻京太郎名義で「花と蛇」を執筆し、1962年(昭和37年)8、9月合併号に掲載されたところ、評判になり、同誌で連載が決定します。
教員を続けながら執筆し、締め切りに追われた時は生徒たちに自習を命じて、自慰小説を執筆されたと、あとがきに綴られご本人は情けなく思われたそうですが、花と蛇は断続的に13年間の長きに渡り連載されました。
掲載誌は奇譚クラブ(曙書房、天星社、暁出版(大阪)、名称変更のみで同一出版社)~SMアブハンター(サン出版)。
奇譚クラブが昭和50年3月に廃刊された事により、掲載誌をアブハンターに変更されました。
昭和50年9月号で完結。
日活で1974年、1985年、1986年3月、12月、1987年と5回、東映ビデオで2004年、2005年、2010年、2014年と4回、合計9回映画化されています。
団鬼六の由来は、昭和6年生まれの男が、鬼のような気持になってと思いつき、鬼六というペンネームにした。
団令子という女優が出た映画を見た日だったので、団という頭文字が浮かんだと自伝「蛇のみち」であかされているそうです。
閑話休題。
物置代わりにされてみえる部屋は人間一人が通れるほどしかなく、私がダンボール箱からフランス書院文庫を取り出し、スタッフに手渡して、通路に積み上げてもらうという作業を行いました。
冊数を数えてゆき、端数を切り上げた買取金額を申し上げたところ、お客様にはご快諾頂けました。
運び出し作業を終え、帰路につきました。
この度はレトロ河島にフランス書院文庫をお売り頂き、誠にありがとうございます。
またご縁がございました際には宜しくお願い申し上げます。
フランス書院文庫

グリーンドア文庫
官能小説のレーベルと致しましては、二見書房のマドンナメイト文庫が双璧となります。
写真にもございますグリーンドア文庫は勁文社(ケイブンシャ)が2002年(平成14年)に経営破綻した為、現在は刊行されておりません。
ケイブンシャの大百科シリーズが特に有名で幼少期に手に取られた40代~50代の方は多いのではないでしょうか。
同社が刊行したレーベルの一つのアドベンチャーヒーローブックス内で「灼熱の追撃」(3月に復刊)「最期の赤い彗星」(8月刊行予定)(共に機動戦士ガンダム)は熱い要望から令和7年に角川書店から復刊されます。
他作品も引き続き復刊される事を願ってやみません。


辰巳出版「女人藍像」小妻要 刺青 美人画集がございましたので、こちらがこの度最も評価した一冊となります。
付属の額装用複製原画も三葉完備されていました。
司書房、三和出版、ミリオン出版等、各社のSM雑誌の誌面を彩った小妻要の画集です。
(SMキング等、雑誌掲載時は小妻容子という女性名義で発表)
古書河島では椋陽児、春川ナミオ、前田寿按、沖渉二等の緊縛絵師の画集を買取致します。

出版不況が叫ばれて久しい昨今、本がなかなか売れない時代ではございますが、ジャンル的に、こちらは有害図書、悪書の部類に属し、捨てられてしまう確率が高いです。
古書店に並ぶ機会も少なくなってきており、お探しのお客様もおられます。
アダルト関連で、まとまった冊数をお持ちの場合は、中には珍しい本もあり、高額で買取出来る本が含まれているかもしれません。
まずはお気軽にご相談下さい。
